「自立した人をどう育てるか」というテーマについて

以前「自立型社員をどう育てるか」というテーマについて名古屋大学の植田教授のお話を伺う機会がありました。 その中で2つ興味深いものがありました。

一つ目は「”教育”とは何か」という問い。
二つ目は「”ヒト”は生まれた時から”人間”なのか」という問い。

一つ目は教育基本法から 教育基本法(昭和22年法律第25条)第一条 「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」

平成18年に改正後 「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」 ここで「人格の完成」という言葉が取り上げられました。

今の教育は知識や技能を伝えることになっているのではないか。 試験のための学びになっているのではないか。 本来は、人間らしく自分の足で生きていけるための学びであるはずなのに。 「どうしてこうなるんだろう?」と疑問を持っても、考えているうちに置いていかれることがある授業では、とにかく覚えないと点数がとれないことになり、理由もわからず学ぶこととなる。 「根拠なく覚える」という認識に変わっていくことになる。 ということは「なぜそうなるのか?」を考える力が削がれていく。。。 そうなると人に伝えられない、解決ができないということになっていく。

二つ目は A・ゲゼル著 中野善達・清水知子訳「狼に育てられた子どもたち」から 人間の赤ちゃんに生まれても「自動的」には人間にはならない。 学習がいかに重要か。 狼に育てられた子どもたちは手は前足として使っていた。 ものを掴むことができず、餌を手で抑えるために使っていた。 これもなるほどと目からウロコでした。 上手く出来ない子がいるときは「学習をしくじっただけのこと」というお話もありました。 その事例も興味深く、 足の遅い子がいると、「死ぬ気で走れ!」とかいうけれど そういう人を調べてみるとまっすぐ走らずに身体が開いていて蛇行して走っている分遅くなるとのこと。 教える人がよく観察して伝えていれば早く走れるようにもなる。

生きていくための学びではなく、根拠を考えず点数を取るための学びになっているのなら、社会にでて「問題解決」をするように言われても難しいと思います。

会社に入っても「常識」とか「当然」いう詳細の説明のないその人だけの「常識」に当てはめられてもそれでは人は育たないと思います。 また知識や技能だけを教えられても「どうしてそうなるのか」の根拠を知らないままでは成長も問題解決も創造も難しいと思います。 ということは伝える側がどれだけ根拠までを理解し、伝えられているかということも大切だということです。

「相手の反応は自分のコミュニケーションの成果である」という前提がNLPにはありますが、そのとおりです。 最後に心に残った言葉に「高得点者の低学力問題」という言葉がありました。 人ごとのようでもありますが、我々もその教育を受けてきた世代です。 教育の基本に立ち返り、自分の足で生きていくことが喜びであり、学ぶこと、知ることが喜びである環境をつくることを改めて肝に銘じた時間でした。

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