ご相談をいただくたびにお伝えしていること。
研修をするたびにお伝えしていること。
それは「その目的は何ですか?」「それは自分にとっても相手にとっても関わる人や環境にとっても良い事ですか?」ということ。
コミュニケーションについてお伝えしていると、聴いているうちにその場面を想像し、ふと湧いてくる怒りだったり、虚しさだったりという感情に囚われることがあります。
例えば、コミュニケーションの前提として「コミュニケーションの意味は相手から受け取る反応にある」というものがあります。
相手に伝わっていないと思うなら、伝え方を変えて伝わるまで伝え続けることなのですが、このようなお話をするとよくお聞きするのが、「そこまでこちらが下手にでないといけないのですか?」という言葉です。この言葉を話しているときには、怒りなどの感情を交えて話されます。
その時、質問します。「伝えたいのは誰ですか?」「何を目的として伝えているのですか?」
そうするとふと視点が変換し、自分が伝える必要があるから伝えているのだという視点に戻ります。
私たちは、すぐに目的を見失い、行動という手段を目的だと思い込んでしまう傾向にあります。
以前もお伝えしておりますが、目的と手段は一瞬にして入れ替わります。それは一流マジシャンのように。
伝わらないのは相手に理解する力が無いからだとか、どうして相手が理解する努力をしないのだなどと思い始めると、伝えている自分が頑張っているのに報われないのでそれが虚しさから怒りへと変化していきます。
しかし、その理解が難しい人に伝える必要があるから、こちらからコミュニケーションをとっているはずです。
目的は何なのか?を常に念頭に置いて、そしてその目的を実行する手段は三方よしとして自分にとっても、相手にとっても、関わる人や環境にとっても良い方法を見つけることを考え続けていれば、結果は豊かに出ます。
目的を見失ってしまったり、三方よしでなかったり、どちらが欠けても上手くいきません。
その行動の目的は何ですか? いつもいつも考え続けてください。
その行動は自分も相手も関わる人や環境にとってもいいですか? いつもいつも考え続けてください。
それを考えている瞬間の自分自身は豊かな状態です。
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