あえて『人が離れる』という視点でみてみると気付きがあります。
働いている人が辞めることは企業にとって痛手になります。
リーダーにとっては「何が原因だったのだろう」と考える悩みの種にも成りえます。
ではどうして人が離れていくのでしょうか?
辞める原因(良い悪いではない)は辞める側にもあるものの、今回もリーダーの条件からみてみます。
【条件 ⑧】
人の育成は『自分の認識が現実そのものであると考える』ようではできない。
私たちは自分が見て、聞いて、感じたことが現実そのものだと思っていることがほとんどです。
当然、自分が見聞きしたものしか認識できていなのですから、そのようになることは推測できます。
会議や商談など、同じ場面に居合わせたとき、あとで互いにフィードバックしあったら、捉え方が全然違う時があるということを経験したことがある方もいるかもしれません。
そうなると
「えっ!?どうしてそう思ったの?ちゃんと話を聞いてた??」と言ってみたり
「そんなこと言ってなかったよ」と言ってみたり
自分が正しいということが前提になっているので、このような言葉がでるのです。
そしてそこには、知っておきべき重要なポイントが2つあります。
1つ目は、『言葉は記号である』ということ。
『己』が『言う』とかいて『記』
自分の中にあるものを表現しようとするときに、殆どの場合言葉を使います。
しかし言葉ですべてが表現されているかというとそうでもなく、あえて言えばこの言葉が合っているというところで使っていることがあります。
つまり自分が言いたいことですら、すべては表現しきれていないのです。
そうであれば、相手も相手の言葉という記号を持っています。
同じ言葉でも同じ意味付だとは限りません。さらに言うと同じ意味付ではないのです。
2つ目は、『自分の認識は現実そのものではない』ということ。
私たちは現実そのものを見聞きすることはできません。
私たちは出来事の一面を見ています。しかもその一面ですら自分の過去の記憶、経験、価値観、五感、性格などを通して。
これら重要なポイントの2つを知らずに相手と関わりを持っていると、「自分の方が正しい」とか「君の捉え方はおかしい」とか言い始めます。
みんな違う見方をしているからこそ、個人の集まりである組織で多様性が生まれ、違う視点があるからこそアイデアも生まれ、自分に、会社に、社会に役立つものが創作されていくのです。
もし自分がその “違う” ということを排除しているならば、大きな損失を得ていることになります。
“違いがある”ということを前提にすることは重要なことです。
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