あえて『人が離れる』という視点でみてみると気付きがあります。
働いている人が辞めることは企業にとって痛手になります。
リーダーにとっては「何が原因だったのだろう」と考える悩みの種にも成りえます。
ではどうして人が離れていくのでしょうか?
辞める原因(良い悪いではない)は辞める側にもあるものの、今回もリーダーの条件からみてみます。
【条件㉜】
人の育成は『意見を尊重しているように見せて他責する』ようではできない
これはリーダーにありがちなことですが、部下の意見を引出したい、部下に考えてほしい、部下に自分が考えたことを行動に移してほしいなど部下の自立を促すように部下に意見を訊いていくということがあります。
ここで意見を聴いていくにも条件があり、リーダー自身も意見を訊く内容に対して自分の意見を持っていることです。
「そんなの当たり前じゃないですか」という方が多いとは思いますが、自分の意見を持つことによってその方向に導いてしまうかもしれないという恐れからリーダーが自分の意見を持たず、部下の意見を引き出し行動してもらおうと考えているならば起こってくる事象があります。
引出した意見とおりに進まなかったとき リーダーに何が起こるのか?
部下が発言したことにも関わらず、行動に移さなかったまたは行動には移したけれども結果が伴わなかった時に、リーダーとしては想い通りに部下が成長していないことに恐怖心を持ちます。
その恐怖心の現れ方はひとそれぞれですが、怒りになることもあれば、「あなたが自ら発言したことなのですよ」と責めるまたは「自分で考えなさい」と放置するという共依存の加害が起こり始めます。
その結果 部下にどのようなことが起こるか?
大きく2つのことが起こり得ます。
一つ目は、リーダー自身の考えはないのだから自分の思い通りにできると場や共にいる人を支配下に置こうとし始める。
二つ目は、こちら側ばかりに意見を言わせてリーダー自身は自分の意見を持たず責めてくるため不満や不安を募らせる。
上記の2つは「共依存」です。
1つ目は、加害者になり得ます。
2つ目は、被害者になり得ます。
何が問題なのか?
人を自律そして自立するサポートをする上で大切なのはバランスです。
何のバランスなのか?
シーソーをイメージした場合、片方は「部下の意見」、もう片方は「何もない」状態です。
これは「部下の意見」にのみ傾くことになります。部下からすると負担がかかっている状態であったり、面白みのないものになります。
もう片方に部下の意見に釣り合うくらいのものが必要になります。
釣り合うくらいのものは、部下に訊いている同じ階層での考えではなく、意見を考えやすい階層での考えを持っていることです。
例えばその意見を求めているものの「目的」や「目標」「ビジョン」「理念」「経験、知識からの比喩」など。
そして部下の気持ちと考えをより高次の階層へ誘うように「サポート」する思い。
「あなたが自ら発言したことなのですよ」と他責にされた瞬間に心が離れます。
自ら考え自ら行動する人に育むためには、相手に求めるものと同等またはそれ以上の「階層の違う」ものを準備しておくことが必要です。
心豊かな健康組織風土であるためには常iにその時々に合ったバランスが重要となります。
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