あえて『人が離れる』という視点でみてみると気付きがあります。
働いている人が辞めることは企業にとって痛手になります。
リーダーにとっては「何が原因だったのだろう」と考える悩みの種にも成りえます。
ではどうして人が離れていくのでしょうか?
辞める原因(良い悪いではない)は辞める側にもあるものの、今回もリーダーの条件からみてみます。
【条件㉛】
人の育成は『正論だけを言う』ようではできない
「正論を振りかざす」という言葉があるように、伝えられる側にとっては振りかざされている感を感じるということ。
言っていることはもっともなので理解はできるが納得ができないことが起こります。
何が原因なのか?
「振りかざされている感」を感じるということは正論そのものよりもその前後の、特に前の言動に相手への尊重がないことにあります。
前もって言っていなかったことを言っていたかのように振る舞い、相手を落とす言動。
誰かと比較し相手を落とす言動。
それくらいできて当たり前だと自分の当たり前を押し付け相手を尊重しない言動。
など。
これは相手の成長や考えていることを受け止めることより、自分の考えや存在を示したいということから起こっています。
根底には、自身でも気づいていないかもしれない自分への自己肯定感の低さ、または自己の存在に対しての自分の信頼が足りていないことにあります。
正論をいうことで自分を認めて自分の存在を示すという方法は役立ちません。
なぜなら結局、相手からなんらかの抵抗を受けることになり、さらに自己の存在を示す方向に行ってしまうからです。
何をすればよいのか?
正論が良いも悪いもありません。
その前後の在り方がやり方に表れていることが課題なのです。
「今」相手を含めた周りにとって何が大切なのか?
「今」相手を含めた周りと何をするためにここにいるのか?
「今」相手を含めた周りとともに何のためにこの話をしているのか?
など周りを含めた「今」を観察することです。
正論を言うときは「今」の自分を守るためだけに言葉にしています。
ときに相手のために言っているという人もいますが、いずれにしても自分のためでしかありません。
まずは自分を大切にすること。
自分の存在を認める事。
それができたとき、おのずと周りをみることができるようになります。
ひとり一人がそのようになることで、心豊かな健康組織風土となり組織の発展に繋がります。